• 総務省の誹謗中傷対策(有識者会議での規制方針の原案の公表)

    総務省は、SNSなどプラットフォーム事業者に対するネット上の誹謗中傷の抑止に向けた規制方針を取りまとめた。X(旧ツイッター)、メタ、グーグルなどのプラットフォーム事業者を念頭に、投稿の削除基準を示す「削除指針」を公表すること、申請窓口をわかりやすく明示すること、削除要請から1週間以内に対応することなどを義務付けるなどして、被害者の救済にあたることとしている。

    総務省は、通常国会への関連法案の提出に向けて調整を進めるとしている。
    規制内容の第1は、被害者が事業者に投稿の削除を要請した場合、事業者側は原則、1週間以内にどう対応したかを知らせるよう義務づける。
    第2に、投稿を削除する基準となる「指針」を策定し、その公表を促す。
    第3に、削除申請の窓口を設置し、わかりやすく明示することを求める。
    第4に、事業者の取り組み状況を検証するために、「指針」に基づいた削除状況の開示も要求する。

    誹謗中傷対策[総務省原案]
    (PDF)

  • 侮辱罪の厳罰化(22年法改正)

     2022年年6月の刑法改正(施行日は2022年7月7日)により、侮辱罪の法定刑が次のとおり変更されました。
    従来の法定刑⇒拘留又は科料
    改正後の法定刑⇒1年以下の懲役若しくは禁錮若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料

     この侮辱罪の厳罰化というのは、これまでに比べて処罰範囲が拡大されたわけではありません。どのような行為が侮辱罪に該当するのかという判断基準が変更されたわけではなく、課せられる刑罰が軽微な刑罰であると「拘留又は科料」に加え、通常の刑法犯に課せられる「懲役刑」「禁錮刑」「罰金刑」が新しく加えられました。

    これは、今日、インターネット上の誹謗中傷を内容とする投稿が社会問題化し、侮辱の内容も激烈なものが増加し、それが広範囲に伝搬されることから、その被害もけっして軽微とは言えないものが増加してきていることに対応したものです。

  • 「発信者情報開示の在り方に関する研究会 最終とりまとめ」の公表

    インターネット上の匿名の発信者による投稿によって被害を受けた者は、被害回復のため、プロバイダ責任制限法における発信者情報開示請求により発信者を特定し、損害賠償請求等を行うことが考えられるが、現在の発信者情報開示制度に関して様々な課題が指摘されており、円滑な被害者救済が図られないという指摘があるところである。
    そこで、プロバイダ責任制限法における発信者情報開示の在り方について「発信者情報開示の在り方に関する研究会」にて検討が行われ、令和2年12月「発信者情報開示の在り方に関する研究会 最終とりまとめ」が公表された。

    そこでは、現行制度を存続させる一方で、これに加えて非訟手続を新たに設け、アクセスプロバイダを早期に特定して、発信者を特定する通信ログ及びその住所・氏名等を迅速に保全するとともに、発信者情報の開示の適否を1つの手続の中で行う非訟手続を創設することが適当であるとしている。

    発信者情報開示の在り方に関する研究会 最終とりまとめ
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