発信者がわからない場合には、発信者に対して任意の削除請求を行うことはできません。
その場合は、発信者に対して削除請求を行うためには、まずプロバイダに対して後述するような発信者情報開示請求を行い、発信者を特定してからその発信者に対して削除請求を行うということになります。
しかしながら、この方法ではあまりに迂遠で、被害者の保護に著しく欠けることになります。また、そもそもSNSの性質によっては、発信者自身も消去ができないものもあります。
そこで、被害者としては、投稿がなされているSNSの運営者ないし管理者であるプロバイダに対して、投稿の削除請求を行うことが考えられます。というよりも、むしろこの方法が被害者の早期かつ効率的な救済を実現できる方法となります。
ただ、プロバイダとしては、削除請求に対してむやみにこれに応じていては、発信者側から表現の自由などを侵害するものだとの主張を受け、損害賠償の請求をされることになり、非常に難しい立場に置かれることになります。
そこで、プロバイダ責任法という法律が、この点については以下のように規定しています。